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大工さんたちが家を造る、その家を丁寧に拭き掃除して、野の花を生ける、
きれいな穏やかな家には穏やかな人が育つ、家が恩返しをしてくれる、
そう、言い伝えられている好きな言葉です。
大事に住んで孫子に伝えたい100年、200年と、昔はみんなそう思いながら、先祖が苗木を植えて、
3代後には柱がとれる立派な木に成長して、そのときの当主が末代までの繁栄を願い、
長い時間をかけて手造りの在来工法で建てたのが民家です。
会津、只見の目黒家もまさにその言葉にふさわしい御家族でした。
物置の陽だまりでアケビ細工を編んでいる八十半ばを過ぎた宇太次さんのお顔はどこまでも優しく穏やかでした。
「家を頂いてゆきますが、おじいちゃんの人柄も頂いてゆきます」
と声をかけたことが思い浮かびます。
年を重ねたらこうなりたい、としみじみ思いました。
まさに、"小さな田舎をつくる"思いの中心に据えるにふさわしい民家との出会いでした。
昭和58年、その年は何時にない大雪でした。